運命は花の香り

森の息吹

「クリス先輩、俺の話を聞いてください」練習終わりに先輩を引き留めると、この数ヶ月間、三年前のようにひたすらにアプローチした俺に観念したクリス先輩が頷いた。前回と同じ定食屋で食事を詰め込んで、俺の部屋へ向かう。お邪魔します、と同じようにクリス…

ホラ吹きたちの睦言

「卒業したら、俺と結婚してくれ」真っ赤な、それでもとても真剣そのものな顔で倉持が言った。引退して、寮の部屋が一緒になって浮かれた。お互いに進路が決まって、進む先が分かれて、しばらくはどちらも進路には触れずに過ごしていたけど、俺はどこか不安だ…